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『知っているようで知らない免疫の話』抗ウイルス薬の作り方がなんとなく分かりました

己を知り敵を知れば百戦危うからず

新型コロナウイルスに有効な薬やワクチン開発に、世界中が総力を挙げて取り組んでいます。

中でもFolding@homeという取り組みは、個人や企業のPCの余っているCPUやGPUのリソースを使い、様々な解析を行う分散コンピューティングプロジェクトと呼ばれるユニークな取り組みです。
新型コロナ解析にももちろん取り組んでおり、今や世界最大級のネットワーク型スーパーコンピュータとなっており、その演算能力は4月14日に、既存のスーパーコンピュータ上位500台を合わせた演算能力を超えたそうです。

新型コロナウイルスの何を解析しているのかというと、タンパク質の動的構造なんだそうです。

「タンパク質の動的構造」と言われても、?ですよね。
「タンパク質の動的構造」とやらが分かると何がいいのか全然わからなかったのですが、本書を読んで、なんとなく理解できました。

『知っているようで知らない免疫の話』の初版は2010年8月ですから、当然新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は存在していません。
インフルエンザの新薬開発について書かれていますが、根本的なところでは新型コロナウイルスの新薬開発も同じことだろうと思います。

そもそも抗インフルエンザウイルス薬とは

抗インフルエンザウイルス薬には、「タミフル」「リレンザ」「イナビル」「ゾフルーザ」「ペラミビル」があります。
これらの薬はNAの活性を阻害する薬です。

インフルエンザウイルスには、コロナウイルスの画像でおなじみのトゲがたくさんついています。
トゲには、細胞に取り付くためのHAというトゲと、感染細胞の中で新たに作られたウイルスが感染細胞から出るときに細胞から切り離すためのハサミの役割を果たすNAというトゲの二種類があります。
「タミフル」などはハサミの役割を果たすNAにくっつき、ハサミとして働かせない機能を持っている薬です。
つまり、ウイルスを殺すことはできませんが、増殖したウイルスが拡散するのを防ぐ働きがあるのです。
そのため、発病後すぐ、決められた期間服用することが重要なのです。

期待の抗インフルエンザ薬「アビガン」

現在新型コロナウイルスに効果があるのではないかと期待されている「アビガン」もまた、抗インフルエンザウイルス薬です。

「アビガン」は「タミフル」などとは根本的な機能が異なっています。
今までの抗インフルエンザウイルス薬は、増殖したウイルスを細胞内に閉じ込める働きですが、「アビガン」は、ウイルスの増殖そのものを阻害する働きがあります。

ですが、コロナ騒動が起こるまで「アビガン」なんて薬、聞いたことなかったですよね?
「アビガン」は動物実験で胎児に対する催奇形性の可能性が指摘されたため、普通のインフルエンザには処方できないのです。
新型インフルエンザが流行し、他の薬が効かないと日本政府が判断した場合に処方できる、という特殊な薬なのです。

それでも新型インフルエンザに備えて日本政府は200万人分備蓄していました。
残念ながら新型コロナウイルスに使用する場合、インフルエンザよりも3倍量が必要なため、現在の備蓄は約70万人分だそうです。
政府は、「対新型コロナウイルスとして」200万人分まで備蓄を増やすことを決めています。

抗ウイルス薬の開発にスーパーコンピューターが必要な理由

ところで、ウイルスは変異が早いことで知られています。
せっかく新薬を開発しても、ウイルスが変異することで薬が効きにくくなることがあるのです。
そこで、耐性ウイルスができにくい新薬の開発が期待されており、その開発に「タンパク質の構造解析」が役に立つのです。

インフルエンザの例ですが、現在、インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼというものの構造が解析されています。
その結果、ほとんど全てのインフルエンザウイルスが共通に持つ立体構造があり、少しでも変異するとウイルスの働きが弱くなってしまうという、ウイルスにとって重要な部位が特定されています。
この部分を破壊できれば、全てのインフルエンザウイルスに有効な新薬となるのです。

新型コロナウイルスそのものがどのような構造をしているのか、どのように動くのか、致命的な箇所はないのか、トゲを邪魔する化合物はないのか、そういったことを計算するのに、スーパーコンピュータでないと間に合わないのでしょう。

スーパーコンピュータ「京」の後継であり、2021年度の共用開始を予定していた「冨嶽」が、2020年度から新型コロナウイルスに限り試行的利用が開始されるそうです。

全世界が総力をあげて新型コロナウイルスに立ち向かっていて、頼もしいですね。

『知っているようで知らない免疫の話』の内容

『知っているようで知らない免疫の話』は、もちろん免疫の話がメインで、抗インフルエンザウイルス薬についての説明など、全234ページ中わずか14ページに過ぎません。
その14ページも、内容を理解するのにググったり、考え込んだりして、ようやくふわっと理解した程度です。

学問の世界とは奥深いものですね。

本書は、免疫の教科書のようです。

そもそも免疫とは何かという話から始まり、生物はいつから免疫を獲得したのかという生物史の話、微生物や昆虫や植物にも免疫があるという話、免疫とはどのような仕組みなのか、という流れになっています。

人間の免疫細胞である好塩基球は、まだ働きがよくわかってなかったり、教科書の書き換えが必要な新たな発見が書かれていたりと、まだまだ免疫の世界はわかっていないことが多いようです。

私には少し難しすぎる内容でした。
もう少し簡単な内容の本を読んでから、読み返したいと思います。


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