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進撃の巨人23巻〜26巻第105話凶弾 あらすじと未解明の謎・伏線と28巻までの内容を踏まえた考察【ネタバレ注意】

自分の生きる権利を守るため、人を殺してもいいのか?

進撃の巨人は、当初思われていたような「圧倒的な破壊力を持つ巨人に人類が立ち向かう話」ではありませんでした。

残酷な世界、巨人から身を守るために壁の中に住まなければならない不自由な世界、人間兵器になりうる存在として世界から忌み嫌われ隔離された場所に住まなければならない世界。
そんな世界で、たとえどんな代償を支払っても、自由を求めて戦う、そんな物語だと思っていました。
22巻までは。

23巻以降、物語の視点は、”敵サイド”に移ります。
立場が変われば正義も変わります。
ライナーたちによる壁内人類襲撃の顛末や、そこに至った過程が描かれ、お互いに守るべき正義があり、その正義を守るために戦わざるを得なかったことが描かれています。

しかし、進撃の巨人がすごいところは、そこで止まらないところです。

どちらの言い分も分かる。
どちらも自分たちの正義のために戦っているんだよね。
どうしようもなかったんだよね。

読者にそう思わせた直後、主人公サイドが攻撃を開始し、罪のない民間人や子供が大勢死んでしまいます。
エレン達は、明らかに自分たちの行動がどういった結果をもたらすか分かっていて、攻撃を始めました。
もはや主人公サイドが悪者です。

一応、主人公サイドにも言い分はあります。
”自分たちは迫害されている。このままでは民族浄化されてしまう。だから、殺される前に殺すのだ”

しかし、自分の生きる権利を守るため、人を殺してもいいのでしょうか?

「生存権が脅かされたため殺人を犯す」状況に、”正当防衛”があります。
この正当防衛、”相手が攻撃してきたから反撃した”案件に自動的に適用されるわけではありません。
たとえば、相手が素手で殴りかかってきたからといってナイフで反撃したとすると、それは”過剰防衛”と取られます。

では、明らかに相手に殺意があった場合、相手が攻撃してこなければ、何もできないのでしょうか?
それでは私たちは身を守ることができなくなってしまいます。
たとえば先ほどの素手対ナイフでも、相手が素手で殴りかかってきそうになった時、ナイフを出して「近づいたら切るぞ!」と”脅迫”した場合は、判例を見ますと、防御に徹しているため「止むを得ずした」と見なされ、正当防衛が成立することが多いようです。

でもエレン達の場合は。。。

進撃の巨人 23巻~26巻第105話のあらすじ

ついに巨人を一掃し、海に辿り着いたエレンたち。
希望と絶望を併せ持つ22巻のラストから一転、見知らぬ子供達の戦いが描かれ始めたのには驚きました。

アニメ第4期が作られるかどうかはまだ未定ですが、作られる場合、Part.1の範囲としては、マーレからの帰還までとなるのではないでしょうか。

【第23巻あらすじ】

エレン達が海を見てから3年後、ライナー達の”故郷”マーレは、中東連合軍との戦争状態にありました。
ライナーやジーク達は巨人の力を使って戦争に勝利しますが、兵器は進歩し、巨人の力の限界を世界に知らしめることにもなりました。
ライナーの一族の少女ガビは鎧の巨人の継承者を目指します。
ガビに好意を持つ、かつてのエルディア復権派の幹部グライスの甥のファルコは、ガビを救うため、自分が継承者になることを決意します。

【第24巻あらすじ】

戦争が終わり、マーレは再びパラディ島侵攻を計画します。
またあの島に行くのか…
ライナーは自らの頭を撃ち抜こうとしますが、自分を慕う後輩達を思い、踏みとどまります。
ファルコは、療養所に潜伏しているエレンと知り合いになり、おつかいを頼まれます。
巨人の力に頼れなくなる未来を打開すべく、マーレは「戦鎚の巨人」を擁するタイバー家の力を借り、状況を打開しようとします。

【第25巻あらすじ】

タイバーは100年前の巨人大戦の真実を諸外国の要人達に話し、フリッツ王の不戦の誓いを脅かすエレン・イェーガーらパラディ島との戦争を訴えます。
演説の最中エレンは巨人化し、戦鎚の巨人と戦います。
ミカサ達調査兵団も駆けつけ、エレンを援護しますが、子どもを含む民間人を巻き添えにしたエレンに当惑の目を向けます。

【第26巻第105話までのあらすじ】

エレンは戦鎚の巨人に勝利し、リヴァイは獣の巨人を討ち取ります。
飛空船で帰還するエレン達を追って、ガビとファルコが飛空船に乗り込み、サシャを射殺します。
捕らえられたガビ達が会った”首謀者”は、ジークでした。

解明されていない謎・伏線と考察

(1)ヴィリー・タイバーは何をしたかったのか?

ヴィリー・タイバーは結局、何をしたかったのでしょうか?

「24巻第95話嘘つき」で、ジークが戦士達に説明しています。
先の戦争で、通常兵器が巨人兵器を上回る日が、近い将来訪れることが明確になった。
エルディア人は”巨人兵器の原料”という戦術的価値を失い、マーレが弱れば、エルディア人は世界の憎悪に直接晒される。
これを避けるためには、始祖の巨人とパラディ島の資源をマーレに納め、マーレの国力を回復するとともに、パラディ島の脅威をエルディア人自身で解決する必要がある。
先の戦争で、エルディア人に対する憎悪が膨れ上がっているため、”救世の末裔”タイバー家が、パラディ島の脅威を語る、語り手を引き受けた。
タイバー家は諸外国の要人や記者を招き、1年以内にパラディ島を制圧すると宣言する予定である。

この「1年以内に」という期限が気になります。
「1年以内に」始祖を奪還したいのは、ジークです。
マーレにとっては、対パラディ島勢力で世界がまとまり、当面自分たちに火の粉がかかってこなければ、3年でも、5年でもいいわけです。
まあ、諸外国に兵力増強までの時間稼ぎと思われないために、短めに時間を区切ったのかもしれませんが。

「24巻第97話手から手へ」のヴィリーとマガト隊長の会話。
ヴィリーは最初から元帥を切り捨て、マガト隊長と手を結ぼうとしていました。
なぜ?
軍幹部を一掃したいから?
でも、マガト隊長はむしろ扱いにくい人間の部類でしょう。
結成当初から”戦士隊”を束ね、巨人と縁が深いから?

「24巻第98話よかったな」での二人の会話では、”家の増築の件”で、”老朽化が深刻なので大掛かりな解体工事が必要”という会話をした後、ヴィリーは「おめでとう元帥殿。軍はあなたのものだ」と言っています。
つまり、軍の上層部は腐っているのでトップをすげ替える、というのです。
さらにマガトは気になることを言っています。
「家は倒壊寸前でしたが、まだ使える柱も残っていました」
「その者共によると…、我が家には既にネズミが入り込んでいるようです」
マーレ上層部は腐ってはいるものの敵国に寝返っているものがそんなにいるとは思えないので、”使える柱”とは、文字通り”役に立つ仕事をしている者”でしょう。
”ネズミ”はエレンのことでしょうが…
”反マーレ派義勇兵”や、アズマビトのような反マーレのスパイの可能性もありますが、”反マーレ派義勇兵”は内部発生的な者ですし、軍にとってスパイはそれほど珍しい者ではないでしょうから、『既にネズミが入り込んでいる』という言い方はしないでしょう。
とすると、”使える上官が反マーレ派義勇兵から、パラディ島の誰かがマーレに侵入しているという情報を聞き出した”ということになります。

「25巻第100話宣戦布告」で、ヴィリーは「パラディ島敵勢力へ!! 宣戦布告を!!」宣言した直後、エレン巨人に食われます。
ヴィリー・タイバーが命を賭して成し遂げたかったことは、この宣戦布告。
しかし同じ第100話で、ヴィリーはマガト隊長にこうも語っています。
「私が表に立たなければ世界は目を向けてくれない」
「軍も記者も国々の大使も一堂にして集うことは無い」
「何より…私を含めレベリオ収容区のエルディア人は哀れな被害者でなくてはならない…」
「「予期せぬ襲撃」の被害者だ」
それに対し、マガト隊長はこう答えています。
「エルディア人は悪魔の末裔に違いありません」
「そして私達は、悪魔に違いない」

今までの話を総合しますと、ヴィリー・タイバーとマガト隊長は共謀しています。
彼らはタイバーの名を利用して各国の首脳や記者たちを集め、舞台をお膳立てしました。
その舞台でヴィリーは巨人大戦の真実を語り、パラディ島のフリッツ王は平和を望んでいるが、始祖の巨人がエレン・イェーガーの手に渡った今、世界は危機に陥っているとし、パラディ島に宣戦布告をします。
彼らの予想では、この演説の最中にパラディ島敵勢力が攻めてくるので、その混乱に乗じてマーレ軍上層部を始末し、マガト隊長を元帥とした新体制を築く手筈でした。
もちろん、この襲撃により民間人に犠牲者が出ることは承知の上です。

この筋書きにより、全ての罪をエレンとパラディ島勢力になすりつけ、「エルディア人もまた被害者であった」ことにしようとしたのでしょうか?
中国や韓国、北朝鮮がするように、特定の国を悪者に仕立て上げることにより、国民の不満を反らせる手法があります。
今回の計画は、それに似ています。
パラディ島に脅威があろうがなかろうが、今回エルディア人の罪のない民間人が巻き込まれようがなかろうが、過去にはエルディア人が、そして現在ではマーレ軍が、巨人を用いて殺戮を繰り返してきたことには変わりありません。
ただ、ヴィリーたちが狡猾なのは、各国の首脳や報道陣もその被害に巻き込んだことです。
彼らは事件の”当事者”です。
当然パラディ島の襲撃を自分事として重く受け止めるでしょう。

では逆に、エレンにとってはこの襲撃は何の意味があったのでしょう?
エレンはジークに会いにマーレに来ました。
ジークと会い、「ユミルの民安楽死計画」について打ち合わせを行いました。
詳細は省きますが、この計画には”地ならし”をいつでも発動できることを諸国に知らしめることが不可欠です。
”地ならし”を起こすには、ジークをパラディ島へ連れていかなければなりません。
ジークが脱走してパラディ島へ亡命するという方法もあったでしょうが、ジークが脱走すれば、翌朝にはマーレ軍にその事実が知られるでしょう。
マーレ軍の内通者達が船を調達できればパラディ島にたどり着くことはできるかもしれませんが、軍港には戦艦が停泊しており、難しかったのかもしれません。
一方、エレンはパラディ島が飛行船を手に入れたことを知っているので、調査兵団が自分を見殺しにすることはないと踏み、騒ぎを起こしてその隙にジークを討ち取ったように装い、ジーク共々脱出しようとしたのかもしれません。

どのみちエルディア人への諸外国の感情は最悪となっており、今更小競り合いを起こしても問題ないと考えたのでしょうか。

(2)キヨミ様はなぜヴィリー・タイバーに会いに行ったのか?

「25巻第99話疾しき影」で、アズマビト家のキヨミ様は、恐らく命を落とすことになる大舞台を前にしたヴィリーを激励しに訪れます。
「我々の一族はよく知っていますもの」という言葉から、エルディア人と東洋人、マイノリティどおしに通じる仲間意識のようなもの、さらには過去において何らかの因縁があったことが伺われます。
キヨミ様はパラディ島と手を結んでいるため、この後何が起こるか知っていました。
ヴィリーに最期の挨拶をしに行ったのでしょうか?
「我々の一族はよく知っていますもの」の言葉の前に、キヨミ様は「あなた方は勇敢です」とも言っています。

あなた方は勇敢です
我々の一族はよく知っていますもの

この言葉からは、ヴィリーがしようとしている真の意味をキヨミ様が知っていて、ヴィリーもそれを当然のことと捉えているように見えます。
これっておかしくないですか?
ヴィリーはおそらく、アズマビト家がパラディ島と組んでいることを知りません。
それなのに、他国の一貴族が自分の計画を知っていることを当たり前と思っている。
ヴィリーとキヨミ様は手を組んでいる可能性もないでしょうか?
その場合、
①タイバー家は、実はジークの味方である
②キヨミ様は、実はパラディ島を裏切っている
③キヨミ様は、タイバーとパラディと二股をかけていて、勝った方につこうと考えている

①は、戦鎚の巨人が本気でエレンと対峙したので、当てはまらないと思います。
②と③は、パラディ島には将軍家の子孫であるミカサがいるので、考えにくいです。

「22巻第87話境界線」で、グリシャを拷問するマーレ軍兵士がこう言っています。

「始祖の巨人」の力を引き合いに東のマーレ敵対国に支援と亡命を呼びかけるところまで進めていたようです

この「東のマーレ敵対国」こそ、ヒィズル国ではないでしょうか?
「27巻第107話来客」で、キヨミ様がミカサ達に説明しています。

およそ100年以上前、ヒィズル国はエルディア帝国の同盟国でした。

そして「巨人大戦」後、ヒィズル国は敗戦国として立場を追われ…

つまり、ヒィズル国は親エルディア帝国、つまり反マーレの立場というわけです。
マーレが覇者として世界を牛耳っていたこの100年、国力の衰えたヒィズル国にとって、煮え湯を飲まされるような場面が何度もあったことでしょう。

「巨人大戦」時、将軍家の息子がパラディ島に逗留するほどフリッツ王家と親しかったアズマビト家には、もしかしたら「巨人大戦」の真実が伝わっていたかもしれません。
それもあって、タイバー家と親しく付き合っていたのかもしれません。
タイバー家の複雑な事情を知っているからこその、「あなた方は勇敢です。我々の一族はよく知っていますもの」発言なのではないでしょうか。

しかし、パラディ島が”地ならし”を武器に世界に宣戦布告をしようとしている今、アズマビト家はパラディ島につき、マーレの影の支配者であるタイバー家とは敵同士となります。
キヨミ様は最期の挨拶をするために、ヴィリーを訪れたのではないでしょうか?

(3)サシャの死を聞いた時、エレンはなぜ笑ったのか?

「26巻第105話凶弾」で、コニーからサシャの死を告げられたエレンは、「くっくっくっくっくっ」と笑います。
「27巻108話正論」で、コニーはエレンのこの時の行動を非難します。
ミカサは、この非難に対して反論できませんでした。

しかしエレンは、ミカサの前で、同様の行動をしたことがありました。
「12巻第50話叫び」で、ハンネスさんが、よりによってエレンの母親を食い殺した巨人に食べられた時、「ははははは!!」と笑います。

人は、恐怖や不快な気分になった時に笑顔を見せたり、神経質に笑うことが知られています。
心理学的には、私たちは恐怖や不快な気分を否定したいが為に笑顔を作るそうです。

事実エレンも、ハンネスさんが食われるのを見て笑った後に、慟哭します。

何にも変わってねぇな!!
お前は!!
なんッッにも!!
できねぇじゃねぇかよ!!
母さん…
オレは何も…
なんっにもできないままだったよ!!
うあああああああああああ

サシャの死を聞いた後も、ヒステリックに笑った後、目を見開き、何かに(間違いなくエレン自身に)怒っているような表情をしています。

この時のエレンの激しい後悔が、「第117話断罪」でのエレンの行動につながったように思えます。


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