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「世界のニュースを日本人は何も知らない」のは本当に悪いことなのか?

「不都合な真実」を直視せよ

欧米ではテレビや新聞で国際的なニュースが報道されるにも関わらず、日本のトップニュースは自国の内容。
あおり運転や皇室メンバーの婚約者に関するニュース、熊に襲われたニュースなどは、海外ではゴシップ新聞に載る程度のトピックだそうです。

海外のゴシップ新聞といえば、ダイアナ元妃を死に追いやり、ハリー王子とメーガン妃の王室離脱「メグジット」の原因となったパパラッチの過激な取材など、イメージ最悪です。

アガサ・クリスティーが生んだ探偵エルキュール・ポワロが、顔を赤らめながらタブロイド紙のサンを読んでいることを告白した描写がありましたが、そんな新聞と同レベルとは!

世界の「政治」「常識」「社会状況」「最新情報」を日本人は何も知らない

目次より抜粋してみました。

アメリカ

映画を通してソフトパワーを駆使
ほとんどが貧困層という現実
実は、信仰心がとても強い

日本人から見ると、欧米人は皆キリスト教徒で信心深いように思えるますが、ヨーロッパ人はそこまで信心深くはないそうです。
宗教観について調べた研究で、「宗教が自分の生活にとって大切だ」と答えた人は、先進国のほとんどの国では20%以下、日本人は10%以下だったにも関わらず、アメリカは50%以上と新興国並みの高さとか。
ハリウッド映画やアメリカのテレビ番組ではキリスト教が生活に根付いている様子が見て取れ、ヨーロッパも同じような気がしていましたが、実際は違うのですね。

私にはヨーロッパに住んでいる親戚がいるのですが、そういえば彼女の配偶者は無神教です。
彼は変わり者で有名なので、彼が特別なのかと思っていましたが、案外ヨーロッパでは普通のことなのかもしれません。

イギリス

全土で「外国生まれの非白人」人種が急増
実は、あまりパブに行かない
実は、借金が大好き

アンティークといえばイギリス。古いものを修理しながら使うというイメージが強いですが、サッチャー改革で金融規制を緩和してからは簡単に借金できるようになったため、今や1軒あたりの借金額は約820万円とのことです。

さらに、給料日前に短期間だけお金を貸し出す「ペイデイローン」の金利は、なんと年利1000~6000%!日本のグレーゾーン金利29.2%未満なんて、かわいいものですね。
ペイデイローンの金利がどれほど凄まじいかは、例えば年利5000%で1000ポンド(約14万円)を1年間借りたとすると、利息だけで5万ポンド(約700万円)というところからもわかると思います。

もちろん給料が入るとすぐに返しているので数日間の金利だけで済んでいるのでしょうが、イギリスは現在新型コロナウイルス対策で、全国のパブやレストラン、カフェを閉鎖する措置を取っています。
従業員の給料は、きちんと支払われるのでしょうか? 支払われたとしても、減額されるのではないでしょうか?
ペイデイローンを借りている人たちは、返済することができるのでしょうか?
背筋が寒くなるような話です。

移民問題

移民が創造性をもたらす理由
過激なイスラム教徒に乗っ取られたイギリスの公立小学校

イギリスのEU離脱の原因の一つに移民問題があります。
移民には、2つの側面があります。

1つは、正の側面です。
本書では、移民は周囲の大多数とは生育環境や言語的背景が異なるため、様々な角度で物事を見たり考えたりし、創造性をもたらすそうです。
多様性が創造性をもたらす例としては、シリコンバレーが挙げられます。

一方、負の側面としては、治安の悪化や文化の違いによる軋轢などがあります。
2014年、イギリスで起きた「トロイの木馬作戦」は、信じられないような事件でした。
この事件は、学校の理事会にイスラム主義者を送り込み、校長を入れ替え、イスラム教により厳格な教育を実施しようとした計画です。
これは極端な例かもしれませんが、こうした事例もあるということです。

学力

アメリカ人、実は…アジア人より貧乏で低学歴
欧州人、実は…読み書き計算さえヤバイDQNだらけ

欧米では若い人たちでも「初歩的な読解力と計算力が身についていない人」が3割ほどいる国が複数あるそうです。
年配者では半数以上に上る国も。

一方日本では、「初歩的な読解力と計算力が身についていない人」の割合は、若者で1割以下、年配者での2割以下だそうです。
自国語が読めて、書けて、簡単な計算が暗算できる。
当たり前のことと思っていましたが、先進国でさえそこまで当たり前のことではないのですね。
こうした基礎学力が高いことが、日本の経済発展を支えてきたのでしょう。

健康保険制度

アメリカは医療費に莫大な金額がかかるにも関わらず、健康保険に入っていない人が多いことはよく知られています。
ヨーロッパでは、健康保険料を払ってさえいれば医療費が無料だが、無料だけあって高い水準の医療やサービスは期待できず、診察を受けるまで何ヶ月も待たされるのもザラ。

件のヨーロッパに住んでいる親戚も、ウソではなく本当に何ヶ月も待たされるそうで、よく愚痴メールをもらいます。

新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、欧米で急速に感染者数が増えているにも関わらず、日本ではそれほど感染者数が増えないのは、具合が悪くなったらすぐ受診できる日本のシステムのおかげかもしれません。
イタリアでは医療崩壊が起こっているようで、新型コロナウイルスの死亡率を見ると、突出しています。
国民皆保険で医者にかかりやすいイタリアでもこの致死率ですので、莫大な医療費がかかるアメリカでは、受診を控える人が多いと思われるアメリカでは、今後どうなってしまうのでしょう。本当に心配です。

世界の重大ニュースを知る方法

で、結局のところ日本にいながら世界の重大ニュースを知るにはどうしたらいいの?という質問に対しては、次のように答えています。

情報の「発信者」「媒体」で分類する。
政府などの公的な組織、知名度がある大学や研究所、公共放送、大手民間放送、専門家などから評判のいいニュースサイトなどであれば、一定の信頼性は担保されているはず、としています。

要は信頼のおける発信者であるかどうか、ということですね。

新型コロナウイルスでも、ツイッターでデマが多く拡散していますが、誰がつぶやいているかわからない情報は鵜呑みにしないほうが賢明ですね。

海外のニュースサイトも紹介されていましたが、英語ができない私には無用の代物。
やっぱり英語って大切なんですね。

あと、情報を得ても、それを自分なりに理解することが必要だと説いています。
常に「これは正しいか?」「別の考え方はないか?」「このタイミングでこの情報が出るのはなぜか?」など疑問を持ちながら情報を整理していく方法を、「クリティカルシンキング」と呼ぶそうです。

基本書が2冊紹介されていました。
・バーバラ・ミント著『考える技術・書く技術ー問題解決力を伸ばすピラミッド原則』
・ピーター・シュワルツ著『シナリオ・プランニングの技法』

機会があったら読んでみたいと思います。

「世界のニュースを日本人は何も知らない」のは悪いことなのか?

そりゃ、知らないよりは知っていた方がいいですよね。

しかし、日本人の多くが英語が話せるようになりたいと思っているにも関わらず、何年経っても英語が上達しないように、必要のないことにはどうしても消極的になってしまいます。
結局のところ、日本に住んでいる限り、世界のニュースを知らなくてもある程度安全で平和で健康的な生活を送れているから、あえて不安になるようなニュースを知りたくもないというところが本音でしょう。

この生活が永遠に続くのなら、平和ボケも悪いことではないと思うのですが、問題は今の恵まれた日本の状態がいつまで続くのか?ということですね。
国は莫大な借金を抱え、世界で最も早く高齢化と少子化に直面し、経済は低成長が続いている。
新型コロナウイルスの影響もあり、このままでいけばヤバイことは自明です。

「世界の重大ニュースを知る方法」を参考に、自分から世界の重大ニュースにアクセスするよりないのかもしれませんね。
一人一人が自覚を持ってそのような行動を続ければ、いつか日本のマスコミも変わるかもしれません。

本書を読んで残念だった点

本書を読んで残念だったことは、文章があまりうまくないこと。
特に数字を扱う部分で主語や目的語が不明確なため、その数字が何を表しているのか分からないことが多々ありました。

一度他の人に読んでもらってわかりにくい場所を指摘してもらうだけで、随分良くなると思うんですけどね。
編集さんって、本文を読まないのでしょうか?


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