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進撃の巨人 第127話『終末の夜』 あらすじと未解明の謎・伏線・考察【ネタバレ注意】

呉越同舟

「それで…あんた達にエレンが殺せるの?」

さすが怖いもの無しのアニ!
読者の疑問をストレートに聞いてくれました!
結局答えは帰ってこないんですけどね。

「本当にエレンを止められたとして…、どうするつもりですか?」
「でも!! …そうやって可能性を探してるうちに時間が過ぎて、何一つ解決できなかった!!」

ジャンも、ハンジさんに尋ねます。

今回は、登場人物達が読者の聞きたかった疑問をぶつける回でしたね。
結局回答は得られなかったのですが、「今まで解決できなかった問題を、今さら解決できるのか」「いよいよの時にはエレンを殺せるのか」という問いかけを、作者が文字として提示したのは大きかったと思います。
まさかとは思いますが、話の収拾がつかなくなった結果、「愛」で片づけるというご都合展開もありえなくもないわけですからね。
この段階で、登場人物達が「エレンを殺さなくてはならないかもしれない」覚悟を問われるのは、いいことだと思います。

あらすじ

ミカサ達104期生と、ハンジ、リヴァイ、そしてマーレ残党がエレンを止めるという目的のもと、一堂に会しましたが、いままでの経緯もあり、簡単に一致団結というわけにはいきません。
それでも、何とかエレンを止めるということで、利害が一致しました。

まずはアズマビトの飛行艇でエレンに接近し、説得することに。
しかし、港にはすでにイェーガー派が先回りし、キヨミを拘束していました。

ガビというキャラクター

ガビは、数ヶ月前までは嫌われキャラでした。

祖国を愛し、敵を完膚なきまでに駆逐することに疑問を持たない。
自分が戦士に選ばれることで親族を名誉マーレ人にし、パラディ島に住む悪魔を絶滅させてエルディア人の地位を向上させることを望む。
戦争に勝つためには国際法違反も厭わない。
マーレの軍国教育に染まり、自分自身が正義であることを疑わない。

そんな彼女の行動は、嫌悪感さえ感じさせるものでした。

しかしまた、ガビはエレンによく似ています。

愛国心が強く、敵を心から憎む。
敵に勝つためなら、無謀とも思える行動をとる。
敵を殺すことにためらいがない。

顔も、眉も、最近では髪型も似せてきています。
明らかに諌山先生は、エレンとガビを対にして描いています。

では、なぜ?

主役を交代させるつもり?

物語の中盤ならともかく、最終盤の今になっての主人公の交代はないでしょう。
でも、諌山先生は今回初めて、エレンが死ぬ可能性を提示しました。

ガビはもしかしたら、エレンの意志を継ぐ役目を担うのではないでしょうか?
いや、エレンの意志を継いだら「地ならし」続行ですので、エレンを止めた後、パラディ島とマーレ、もしくはもっと広く、パラディ島の「外の世界」との架け橋になるとか?

そこまで話を広げなくても、ガビは「別の分岐をたどったエレン」なのかもしれません。

エレンは巨人から仲間を守り、巨人に殺された人たちの復讐をするため、巨人を憎みました。
「敵」が島外の人間になっても行動原理は同じです。
「敵」は徹底的に駆逐する。
たとえ「敵」が自分たちと同じ人間で、喜怒哀楽があり、毎日を精一杯生きていることを知ったとしても、容赦無く殺します。

ガビも、登場初期はエレンと同じでしたが、サシャを殺し、サシャに関わりのあった人たちと接することにより、「悪魔」と思っていた人たちも自分たちと同じ人間であることを理解します。

「パラディ島の悪魔」は悪魔ではなかった。悪魔はむしろ自分だった。
そう思ったガビは、それ以降殺人はしていません。
(エレンの頭は吹っ飛ばしましたがw)

最新話でガビは、ライナーをかばってジャンに蹴られた後、土下座をして協力を請います。
あの気の強いガビが土下座とは…

今までのガビの言行があったからこそ、この土下座は衝撃であり、ジャンを引き止め、パラディ・マーレ連合を成立させるだけの説得力が出たのだと思います。

新型コロナウイルスからエレンの行動を考える

巨人になることができるユミルの民は「人間兵器」となりうるため、全世界から忌み嫌われています。
この状況、新型コロナウイルスで中国人や日本人に向けられる感情に少し似ているかもしれません。
海外で、中国人や日本人は新型コロナウイルスの保菌者かもしれない、と警戒されています。

先週知人が交流事業でアメリカに行きましたが、予定していた交流が、中止までは行かないまでも、規模が縮小されたと話していました。

「ユミルの民は巨人になることができる」「あいつらはいつ巨人化して、自分たちを襲うかわからない」「だから隔離してしまおう」
 ↓
「日本人・東洋人は新型コロナウイルスを保菌しているかもしれない」「近づいたら移されるかもしれない」「だからこっちに来るな」

世界中から忌み嫌われ、監視されたらどう思うだろう? エレンのように、逆に相手を駆逐したくなるのだろうか?と思っていたのですが、現実にほんの少しだけそうした状況に置かれた時、私の中に意外な感情が芽生えました。

「私はウイルスに感染しているかもしれない」
「私は他人にウイルスを感染させるかもしれない」
「その結果、感染させられた人が死ぬことがあるかもしれない」

他人との交流が非常に怖くなったのです。
マスクは、感染を予防する能力はほとんどないようですが、自分が保菌者の場合、少なくとも飛沫を飛ばさないでくれます。
「自分が感染しないように」ではなく、「自分が感染させないように」という方向に意識が向きました。

ユミルの民たちは、本当のところどう感じているのでしょう。

「私たちは巨人になることができる」
「巨人になってしまったら、意思もなく他人を殺してしまう」
「巨人になることも怖いが、他人を殺してしまうことも怖い」

この問題を解決しようと考えるなら、解決策は2つしかありません。
1.巨人化することができるユミルの民を絶滅させる
2.巨人化のトリガーとなる脊髄液を持つ巨人を絶滅させる

1の考えに立つと、進撃の巨人世界の大多数の国のように、ユミルの民への迫害につながります。

2の考えに立った場合…
無知性巨人の脊髄液でもユミルの民を巨人化できるとしても、すでにパラディ島の無知性巨人はほとんどが駆逐されてしまっています。残っているのはおそらく、コニーの母親巨人だけと思われます。
(もしかしたらハンジさんが研究用に2~3体飼っているかもしれませんが)

一方知性巨人は、継承せずに死んだ場合は赤ちゃんに能力が移行しますので、知性巨人を討伐すれば良いという話ではありません。
しかし、ライナーやアニのような硬質化できる知性巨人が、それ以外の知性巨人を取り込んだ後に硬質化してしまえば、永久に新たな巨人は生まれないのではないでしょうか?
エレンはマーレ戦で戦槌の巨人を取り込み、さらに顎の巨人も取り込もうと試みていました。
エレンは、現存する巨人をすべて自身に取り込み、その上で自分自身を封印しようとしているのではないでしょうか?

…と思ったのですが、それなら地ならしは行う必要はないですし、今や万能の始祖ユミルと組んでいるので、もしかしたら巨人化能力を消滅させることも可能かもしれません。
なので、結局のところエレンが何をしたいのかは、まだわかりません…


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