『ナニワ金融道』社会人なら一度は読んでおきたいマンガ
借金はやっぱり怖い!
学生の頃、友人から毎週モーニングを借りていました。
『ナニワ金融道』も連載されていて、「勉強になる」「学生は就職前に読んでおくべき」と言われたので読んでみようと思ったのですが、主人公の灰原が善良そうな顔をしながら借金の取り立てをしていてドン引きしたのと、絵が好みでないので結局読まずにいました。
ですが、ずーっと気になっていたマンガでしたし、Kindle Unlimitedに入っていたこともあり、読んでみました。
感想。
社会に出る前に読んでおくべき本です!
初っ端に手形が登場するなど古い部分もありますし、よく分かりませんが法律も今とは違う部分もあるように思います。
ですが、残酷で世知辛く、法律を盾に悪事を働く人間もいる社会に出る前に、「最悪の形」「騙される例」を見ておくと、今後の判断の助けになるように思えます。
私の勤務している会社は、新入社員は全員「ビジネス実務法務検定3級」の通信講座を受講させられ、受験が義務付けられています。
経理や営業など関係しそうな人だけでなく、製造など関係なさそうな業務の人にも義務付けられています。
当時は「なんでこんな訳の分からないものを勉強しなければならないのだろう!」と愚痴っていましたが、今は感謝しています。
基本知識として知っているのといないのでは、判断基準が全然違うように思えます。
それにしても『ナニワ金融道』は情報量が半端ない!
「期限の利益の喪失」「保証人と連帯保証人の違い」「占有の権利」なんて、さらっと書かれていますが解説が欲しいワードですよね。
契約書の怖さ
『ナニワ金融道』1巻2発目『払わん方が悪いんじゃ!』で、契約書に「手形、小切手が不渡りとなった時、省略、期限の利益の喪失」に書かれていたため、残りの手形も全て支払わなければならなくなり、倒産した建設業者の社長がいました。
4発目『たとえ逃げてもカモはカモや!』では、「住所の変更の届け出を怠る等」の条項を盾に、上司に夜逃げした部下の住所を問いただす場面があります。
契約書を交わすことにより、そこに書かれている内容に法的拘束力が生じます。
契約書の内容に反した行動をすると、損害賠償などの責任を追及される可能性があるのです。
普通に生活していて最も一般的な契約書といえば、賃貸借契約書でしょうか。
私は引っ越すたびに賃貸借契約書をよーく読んで、疑問点は色々質問しますよ。
今のアパートに入居するときも質問したはずなんですけど、忘れちゃいましたね。
「ペット不可」と書いてないからペットを飼えるのかな?と思いましたが、飼うつもりがないので聞かなかった記憶はあります。
保証人と連帯保証人
2発目『払わん方が悪いんじゃ!』で倒産した社長は、連帯保証人のところに取り立てに行くと聞き、「いきなり保証人の所へ押しかけるのは筋が通らんで‼︎」と叫びます。
が、法律上、お金を借りている人を差し置いて、まず連帯保証人にいきなり借金返済の請求をしてもいいんですよね。
例えば連帯保証人は、貸金業者がいきなり請求をしてきても、「まずは借りた人に請求してください」と主張できません。ちなみにただの保証人なら、主張できます。
また、「借りた人にはお金があるので、そちらを強制執行してください」と主張することもできません。
さらに、保証人が複数いる場合は、借金の額を保証人の頭数で割った金額を返済すればいいのですが、連帯保証人の場合は、連帯保証人が複数いたとしても、全ての連帯保証人に全額返済義務があります。
私が子供の頃は、遠い親戚とか知り合いとかに「連帯保証人になったばかりに全財産を失った」とか「株で大損した」という人がいたものですが、最近は聞きませんね。
みんな隠しているのでしょうか?
ネットの中では、株で資金を溶かしたという話はよく見ますが。
私の場合は確か、「知り合いの知り合いが連帯保証人で全財産を失ったから、絶対に連帯保証人になってはいけない」と、小学生の頃に親に言われた記憶があります。
知り合いの知り合いって他人じゃんって思いますが、わざわざ小学生にそんな話をしたってことは、本当にあったことなんでしょうね。
借金で首が回らなくなったら
5発目『金さえ払ろたら文句ないわい!』で、主人公の灰谷は、自分がきっかけで高利貸しに手を出し破滅した一家に、罪滅ぼしとして自己破産させます。
「破産」って、私が子供の頃は夜逃げみたいに、「人生の最終手段」といった悪いイメージでした。
もちろん最終手段は最終手段なんですが、会社にバレるとも限りませんし、選挙権も失いませんし、全ての財産を奪われるわけではありません。
ギャンブルや浪費で作った借金は免責になりませんが、誰かの保証人になったとか、生活のためやむなくした借金が膨らんだ場合は、思い切って破産した方がいいようですね。
ぶっちゃけ2巻以降の話も、「ここで破産してしまえばいいのになー」という展開ばかりです。
そうされたら話が続かなくなるので、登場人物は借金を重ねたり、詐欺をしたりと足掻いて、それがまた面白いのですが、私が万が一返せないほどの借金を作ってしまったら、迷わず自己破産しようと思います。
起業を考えている人にも
桑田が「ワシ、毎月キチン路10万円ずつ定期預金しとるんやで」「将来独立する時、これが銀行に対する信用になるんやで」とサラッと言っていますが、これ、めちゃくちゃ重要です。
起業すると、金融機関からお金を借りることも出てくると思います。
その時銀行から融資を受けるられるように、メインバンクと決めた銀行に、起業前からコツコツと定期預金を積み上げていくのは非常に重要な戦略なのです。
私はこれをセミナーで聞いたのですが、例えば銀行にお金を借りにいく時、銀行の立場から考えて、自分の銀行に預金が全くない人にお金を貸すでしょうか?
また例えば預金が100万円あったとしても、あるひポンと入金された100万円と、定期預金でコツコツ貯めた100万円とではどうでしょう?
コツコツ貯めるということは「計画性がある」ということ。
銀行はお金を貸す時、そこまで見ているのだそうです。
その他にも、消費者金融に手を出しほど資金繰りに困ったら、99%再建は無理なんだということが骨身に沁みます。
2巻以降の話ですが、不動産会社で、それまで何も問題がなかったのに、店子が夜逃げしたことで資金繰りがおかしくなり、あれよあれよという間に借金が膨らみ、トイチの闇金融に手を出し、最終的には詐欺にまで手を染める話があります。
不動産投資がもてはやされていますが、そういえば倉庫を貸している知人も店子に夜逃げされ、残された資材の処分に100万円かかったと言っていました。
事業をするときは何が起こってもいいように、多めに現金を確保しておく必要があるようですね。
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