『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』当事者はどのように感じているのか分かる本
想像以上に生きづらい世界に生きている人がいる
5歳の姪が、自閉症スペクトラムと診断されました。
食べられないものが多かったり、ご飯の時間になっても食べずに遊んでいたり、保育園でうまく友達と遊べないという話は聞いていましたが、私自身も小さい頃は好き嫌いが多くて食事の時間が苦痛でしたし、何かに集中すると何も耳に入らなくなっていましたし、コミュ障で友達が少なかったので、私に似てしまっただけだと思っていました。
ひらがなだけでなくカタカナも書けるし、絵も上手いし、むしろ賢い子という印象でした。
しかし、いざ診断されてしまうと気になることだらけです。
「自閉症スペクトラム」って「自閉症」とは違うの?
そもそも「自閉症」って何?
最近よく聞くアスペルガーとか、ADHDとかとは違うの?
頭の中は???でいっぱいです。
調べてみますと、自閉症スペクトラム障害とは、自閉症やアスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害(PDD)を指しているそうです。
う~ん、よくわかりませんが、コミュニケーション障害や、興味や行動に偏りがあり、100人に1~2人の割合、本によっては1割もいるとされています。
そこそこの割合ですよね。
ADHDは注意欠如・多動性障害といって、多動や不注意な行動、学習障害(LD)は、知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態なんだとか。
そして、自閉症スペクトラム障害、ADHD、学習障害それぞれの症状がある人も多いのだとか。
う~ん、大変そう。
姪は支援センターに通っていますが、実際に本人がどのように感じているのか、どんな不便があるのか知りたくて、本書を読んでみました。
著者の沖田×華(沖田ばっか)さんは、アスペルガー症候群(AS)、学習障害(LD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状があるそうです。
本書は大人になってからアスペルガーだと診断された沖田×華さんが、実体験をもとに綴った作品です。
3人以上の会話になると、誰が誰と何の話をしているのか分からなくなったり、話しかけられると注意がそれるので1年で4台廃車にしたり、電話番号を押しているうちにどこまで押したか分からなくなったりと、生活にかなり不便がありそうです。
また、アスペルガーの友人がネットでトラブルを起こしがちという話なのですが、その友人がコメントしているスレは荒れがちとのこと。
そのコメント例は、自分の言いたいことを一方的に何度も投稿したり、妙に上から目線で煽ったりと、まさに炎上しているスレで見かけがちな内容でした。
こういうコメントを書く人って、何で突然こんなことを書いたり、話題がかみ合っていないのに同じことを何度も投稿するのかと思っていたのですが、全員が全員ではないでしょうが、そういった傾向を持っている人なのかもしれませんね。
本書でも何度か書かれていますが、アスペルガーの人は「自分がどう思われるか」「人がどう思うか」についてあまり考えが及ばず、それで相手を嫌な気分にさせたり、怒らせたりすることがあるそうです。
こうした特性について理解や配慮をしてほしい、という話をよく見聞きします。
ですが事情を知り、理解していたとしても、彼らの言動によって嫌な思いをしたり、怒ったりするのは、自然な感情ですので、悩ましいところです。
最近考えているのが、皆が自分の特性や考え方の癖を把握し、コントロールしていけば世界はもっと住みやすくなるのではないかということです。
例えば、「ストレングスファインダー」という、性格分析のような手法があります。
200近い質問への答えから、無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動をパターン化し、34種類の資質(=自分の強み)に分類します。
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう: ストレングス・ファインダー2.0』では、本を購入し、付属のシリアルコードを専用ページで入力するとテストを受けられ、自分の上位5位の資質を知ることができます。
本来は、上位5つの資質を知ることにより、自分の強みや、目標に対してどういったアプローチが向いているのかなどが分かるのですが、長所と短所は表裏一体。
自分の強みがイコール短所にもなっています。
例えば私には「最上志向」という資質があります。
文字通り、何事に対してもより良いものを求める考え方です。
「最上志向」のデメリットは?
そう、完璧主義です。
自分にも他人にも「完璧」を求めすぎてしまい、苦しくなってしまうことが多々あります。
「こんなこともできないなんて、私はダメな人間だ」と思い始めてしまったら、「あ、今わたし、完璧主義になっている。ここまでできたんだから、前進しているよ、大丈夫」と考えるようにしています。
他人に対して完璧を求めそうになったら、「自分は変えられるけど他人は変えられない」「ここまでやってもらっているだけで、ありがたい」と考えるようにしています。
自分の考え方の癖を知り、対応法を決めたことで、だいぶ楽になりました。
このように発達障害の人もそうでない人も、自分の考え方の癖と対応方法を身につけると、ずいぶん生きやすくなるし、世の中全体ももう少し優しくなるのではないかなあと夢想しています。
そもそも、私を含めて誰でも多かれ少なかれ発達障害の特性に当てはまる人も多いのではないでしょうか?
巻末に、自閉症スペクトラム指数が掲載されており、質問に答えることで、自閉症傾向を知ることができます。
50問の問題に答え、33点以上で自閉症傾向があるため専門家の診断を受けることが推奨されています。
つまり、この問題で点数を取った内容は、自分自身の自閉症傾向が強い部分、ということになります。
例えば私は初対面の人と会うことが苦手で、何かをするときは皆んなとではなく一人でする方を好み、パーティーよりも図書館を好み、新しい友人を作ることや社交的な場面が苦手な部分が、当てはまります。
完璧な人間などどこにもいないので、皆がお互いを補い合って生きやすい社会になっていければいいなと思っています。
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