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『七都市物語』コミックを今更ながら読んでみた

懐かしの田中芳樹節

高校生の頃、田中芳樹にハマっていました。
銀河英雄伝説、創竜伝、アルスラーン戦記、タイタニア、灼熱の竜騎兵から白夜の弔鐘まで、当時出版されていた小説はほぼ読んでいたと思います。

もちろん七都市物語も読みました。
しかし、リュウ・ウェイの人物設計や「オリンポスシステム」など銀英伝と似通った設定が多い上、1冊限りで中途半端に終わってしまったため、特に印象に残らない本でした。

最近、田中芳樹が再び脚光(?)を浴びていますね。
荒川弘によるアルスラーン戦記のマンガ化がきっかけでしょうか。
銀英伝だけでも再アニメ化『銀河英雄伝説 Die Neue These』、藤崎竜による再マンガ化、舞台や宝塚にもなりました。

その一環で、七都市物語もコミカライズされたのでしょうか。

読んだ感想は…
う~ん、全然覚えていない。
でも、おもしろいじゃないか!

小説だとどうしても銀英伝との類似点ばかりが気になってしまったのですが、マンガだと視覚の影響が大きいので、そこまで気になりませんでした。
そういった点で言えば、リュウ・ウェイの外観はもっとヤン・ウェンリーから離して欲しかったところではありますが…

ともあれ、戦争シーンはマンガの方がわかりやすいですね!
私はどうも戦争シーンをイメージするのが苦手で、活字では読み飛ばしてしまうのですが、絵に描き起こしてあると状況が理解できます。
田中芳樹お得意の、大胆にして人をくった作戦が、迫力のある構図で表現されていて、テンションが上がります。

あらすじは…
西暦2088年、突然地軸が90度転倒。南北両極が赤道に移動し、氷が溶けて海面が上昇。原子力発電所、生物化学施設等も破壊され、人類は、ほぼ絶滅してしまいます。
月面都市に居住して難を逃れた人々は、『汎人類世界政府』を宣言。
地上に七つの都市を建設して、地上の生存者を住まわせました。
さらに月面居住者は地上居住者への支配権を確実なものとするため、地上から500m以上を飛ぶ飛行体をすべて撃墜する『オリンポスシステム』を設置し、地上居住者から航空技術を取り上げてしまいました。
しかし、月面居住者は隕石に付着していた未知のウイルスにより、オリンポスシステムを残したまま全滅してしまいます。
かくて地球人類は飛行技術を奪われたまま、それまでの人類同様、領土や派遣を争い続けるのでした。

ビジュアル化して嬉しかったのは、A・Aことアルマリック・アスヴァールが格好いいこと!
ヤン・ウェンリー似のリュウ・ウェイが主人公かと思っていましたが、ウィキペディアの人物紹介ではトップに配置されているので、A・Aが主人公なのでしょうか。
コミックスの表紙でもセンターを陣取っていますしね。
骨太のイケメンで、天性の才能とカンで武勲を重ねた野生児かと思いきや、元医学生で頭もいい。
大雑把な性格に見えてジグソーパズルが大好きと、田中芳樹らしいチートな主人公で、魅力的です。

田中芳樹独特の、毒も健在です。
リュウ・ウェイはは特使としてクンロンに派遣されますが、任務終了ののちまっすぐに自国アクイロニアには戻らず、第三国のタデメッカに向かい、家を購入します。

リュウ・ウェイはA・Aにこう言います。
「この戦争に負けたら必要ない家だが、勝ったら必要だ」
「今でこそ元首は私を頼りにして恩を感じてもいるが、ひとたび勝てば功績を独占したくなるし、私の存在が邪魔になる……」
「善人の嫉妬は……」
「悪党の野心より始末が悪い」

こんな調子の田中節で育った私は、物の見方がちょっと違うとよく言われます。
上の人間の言うことを素直に聞き入れられない性格は、高校生の頃田中芳樹の小説を読み漁った影響かもしれません。
会社人としては足を引っ張る性格ですが、プライベートでは結構気に入っています。

ところで、地軸転倒はまずありえませんが、地磁気逆転は、もしかしたら現在進行形かもしれません。
『地磁気逆転と「チバニアン」』チバニアンは人類の危機を救うかもしれない

未だに読み返したくなる名作です。


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