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コミックス『ナルニア国物語 1 魔術師のおい』あらすじ、ネタバレ

屋根裏のさらに裏にあるトンネルの謎が解けた!

衣装ダンスを通って別世界に迷い込んだ兄妹が、ライオンのアスランに導かれ、様々な冒険をする『ナルニア国物語』シリーズ。
『魔術師のおい』は7部作のうち6番目に出版されましたが、時系列的には最も古く、ナルニア創成の物語です。
なぜ衣装ダンスを通ってナルニアに行くことができたのかという謎も、本書で明かされます。

あらすじ

ディゴリーは、病気の母親の介護のため、田舎からロンドンのアンドリュー伯父の元へやってきました。
アンドリュー伯父は屋根裏部屋にひきこもり、なにやら怪しげな研究をしています。
夜中に屋根裏部屋から叫び声が聞こえてきたこともありました。

ディゴリーは、隣の家に住む少女ポリーと仲良くなります。
ある日ディゴリーとポリーは、屋根裏部屋の裏に存在するトンネルを伝って2軒隣の空き家に忍び込もうとしますが、誤って隣のアンドリュー伯父の屋根裏部屋に出てしまいました。
ポリーはアンドリュー伯父の策略にはまり、魔法の指輪をはめてしまい、ディゴリーの目の前で消えてしまいました。
アンドリュー伯父は異世界へ行ける指輪を作っていたのです。

ディゴリーはポリーを助けるため、指輪をはめて異世界へ追いかけます。
着いた先は、異世界への泉が無数に並ぶ不思議な森でした。

小説のコミカライズについて

小説のコミカライズは、基本的に読みません。
コミカライズに限らず、アニメ化や実写化などほとんどの場合は、原作を超えることはないと感じているからでもあり、また、小説は各自が自分なりの物語のイメージを膨らませることが大切だと思うからです。

しかし本書を読んで、ちょっと認識を改めました。
子供の頃、どうしてもイメージできなかったところが、マンガによって理解できたからです。

主人公のディゴリーとポリーは屋根裏部屋の裏のトンネルを伝って、テラスハウスの別の家に忍び込みます。
アルセーヌ・ルパンにも似たような場面があったと記憶しています。
しかし、子供の頃はこの構造があまりイメージできませんでした。

日本では、テラスハウスのように家と家がくっついているような集合住宅の屋根裏の裏に通路がある構造の建物なんて、恐らくないでしょう。
どうやら防音と延焼防止のために、屋根裏の空間も、部屋ごとに区切られていなければならないようです。
(最近は建築基準が緩和されたようですが)
イギリスやヨーロッパの石造りの家は、防音・防火に優れていそうなので、住民が立ち入らない場所は、きちんと仕切らなくても良かったのかもしれません。

ともあれ私はこの構造がよく理解できず、「何か分からないけれど、とにかく家のどこかに通路があるのね」と、読み飛ばしていました。
コミックスでもちょっと分かりにくいですが、理解の助けにはなります。

『魔術師のおい』の時代は、次のように説明されているので、18世紀末のイギリスでしょう。

そのころは、名探偵のシャーロック・ホームズがまだ生きていて、ベーカー街に住んでおりましたし、バスタブル家の子どもたちが、ルウィシャム通りで、宝さがしをしていた時分です。

その時代のイギリスを、私たちはイメージできるでしょうか?
映画やドラマのシャーロック・ホームズみたいに、男性は鹿撃ち帽をかぶってインバネスコートにパイプをくわえている?
女性はフープの入った裾まである長い動きにくそうなスカートを履いて、飾りが過剰についた帽子をかぶっている?
街は石畳で、馬車が走っている?
そんなステレオタイプの貧相なイメージでは、文章から想像を膨らませようにも限度があります。

例えば源氏物語を読んでも平安時代の人々がどのような服を着て、どのような家に住んで、どのように生活していたのか想像するのは難しいですが、『あさきゆめみし』を読めば感覚的に理解できるように、馴染みのないものに対しては、映像の力を借りた方がイメージが膨らむかな、と思い直したのです。

『魔術師のおい』感想

コミカライズは読まない!と意固地になっていた私がなぜ本書を読んだかと言いますと、表紙のディゴリーとポリーが元気で可愛くかったから。
ついつい手に取ってしまいました。
内容も、よく描けていると思います。

ディゴリーの、冒険心はあるけれど、ちょっと考えなしで軽はずみなところ。
ポリーの好奇心旺盛だけれど、慎重なところもある性格。

ちょっと絵柄が幼いですが、私のイメージ通りです。
ディゴリーの考えなしで軽はずみなところが、ナルニアの全年代を通じて災いをもたらす魔女を復活させることになるのですが…

子供の頃、『魔術師のおい』を読んで、ショックを受けたことを思い出しました。
ナルニア国物語は、衣装ダンスを抜けて異世界に旅立つという、子供の心を鷲掴みにする演出が魅力です。
中学生になった時、制服を掛けるため、親にねだってロッカータンスを買ってもらいました。
中に入れる「衣装タンス」がどうしても欲しかったのです。
あわよくばナルニアに行けるかも、という思いもあったのですが、『魔術師のおい』で、ナルニアにつながるタンスは、ナルニア由来の木で作られていることが判明し、私のロッカータンスでは無理なことが分かったのでした…


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