『本気でFIREを目指す人のための資産形成入門』お金自動発生マシンを組み立てろ!
私は本気でFIREを目指しています
大学生の頃、専門課程の授業に興味を持てませんでした。
どうやら学部選びを間違えたらしい、そう気づきましたが、家計的に無理して大学に通わせてもらっている手前、親にはついに言い出せず、そのまま卒業しました。
理系でしたので、学んだ分野のうち最も興味の持てそうな業種に就職したのですが、やはりどうにも興味が持てません。
経験のない業種に転職する勇気もなく、ずるずると社会人を続けているうちに、世の中には「不労所得でセミリタイア」をしている人がいるらしい、という噂を聞きました。
ああ、そんな夢みたいな生活をしている人がいるんだ。ならば私も。
と思い、株やFX、投資信託など、投資を始めました。
高い授業料を払ったこともありますが、ありがたいことに資産は少しずつ増えています。
生活費を最低限に抑えてリタイア生活を始める人もいますが、生活費を切り詰めずにリタイア生活をする人を”FIRE”と呼ぶそうです。
Financial Independence and Retire Early.
経済的自由を達成した上で、早期リタイアをする、という生活様式です。
『本気でFIREを目指す人のための資産形成入門』の著者の穂高唯希氏は、その界隈では有名なブロガーで、私もブログを読んだことがあります。
本書は、FIREを目指している初心者から上級者まで幅広く使える、教科書のような一冊です。
FIREに至る道筋
穂高さんは三菱系の一流企業に勤務していましたが、現在はFIREを達成し、セミリタイア生活を始めています。
会社員時代は収入の8割を投資に回していたそうです。
「一流企業出身だからできたんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
穂高さんは、就職後わずか8年で7千万円の資産を築き、セミリタイア生活を始めています。
金額も凄いですが、セミリタイアまでの年数も短くて、驚愕です。
薄給の私はもちろんこんなスピードで貯めることなんてムリですが、そもそも生活水準が低いので、7千万なんて必要ないですし、自分なりのペースで貯めていけばいつかは…?と夢が広がります。
穂高さんが紹介するFIREに至る道筋は、まず投資のために支出を最適化(節約)し、ひたすら株式を買い続けることで配当金を増やします。
投資方法も、NISA・イデコ活用⇒米国株ETF⇒米国個別株と、初心者から上級者に至る道筋に沿って説明しています。
私自身は現在米国株ETFに投資していますが、10年以上投資をしてきて、試行錯誤や失敗・勉強の末ようやく今年になって米国株ETFを始めたばかりです。
本書を読む方は、私のような失敗なしに効率良く投資を学べて、とても羨ましいです。
(言い訳をさせていただきますと、私が投資を始めた頃は、米国株は今のように手軽に買えるものではありませんでした。そのため、現状維持バイアスが働き、米国株にシフトするのが遅れたのです…)
支出を最適化(節約)しよう
水筒持参、携帯は格安SIMなど、普通の節約術にも買いてあるような項目の他に、「たばこを買わず、たばこ株を買え」だの、「書籍は図書館利用(新刊は予約)」だの、「支払いは現金ではなくクレカで」だの、ちょっと異質な項目が混じっています。
「たばこを買わず、たばこ株を買え」
1日1箱セブンスターのたばこを吸うと、10年で180万になるが、そのお金をアメリカのたばこ会社の株に投資すると、10年で316万円の資産になる、と試算されています。
愛煙家にとっては「いや、そういうことじゃないんだよ」と言いたいかもしれませんが、嫌煙家の私にとっては「まさにその通り!」な事例ですね。
ただ、世界的にたばこ市場は縮小していますので、たばこ株の値下がりが気になるところですが、実は、たばこ会社への個別投資の検討が、上級者向けの米国個別株投資の項目で説明されています。
私はタバコが嫌いで、たばこ会社の将来には悲観的なのですが、意見を異にする人にとっては高配当を手にする可能性があるため、必見の項目です。
「書籍は図書館利用(新刊は予約)」
これ、節約術の著者の方が絶対に触れないか、触れても言葉を濁すやつですね。
著者の穂高さんは印税で食べていくつもりがないので、書ける内容なのでしょう。
「支払いは現金ではなくクレカで」
私はもともと陸マイラーなので、ほんの数百円でもクレジットカードで支払っていました。
消費税増税に伴うキャッシュレス・ポイント還元事業のおかげで、少額でもクレジットカードを使いやすくなって喜んでいます。
ところで、穂高さんがいうには、一人の人が生涯で使うお金は約2億円だそうです。
仮に2億円のうち半分の1億円をクレジットカードで支払い、還元率1%を得たら、それだけで100万円!
これは使わない手はないですね。
NISA・イデコ活用
つみたてNISA、一般NISA、イデコ(iDeCo)の説明と、メリットとデメリットを説明しています。
イデコは「60歳まで引き出すことができない」点で、FIRE的には向いていない、というのは盲点でした。
米国株ETF
米国株ETFは、現在私が勉強しているところでもあります。
紹介されている銘柄は、私が数ヶ月あちこちのサイトを見ながら選定した銘柄と同じものでした。
自分の判断が正しいかどうか心もとなかったのですが、穂高さんが数字を示しながら説明してくれたので、安心しました。
自分で一覧を作るのが面倒くさい、指数との乖離率、上位銘柄と構成比率、セクター構成などがまとられているので、備忘録的にも役立ちます。
米国個別株
効率よく資産を増やすには個別株が最適なのでしょうが、日本の株でさえファンダメンタル分析とか、PERとかPBRとか全然わかっていないですし、ズボラなので定期的に会社の業績をチェックするなんてまず無理です。
多分、私にとってここは手を出さない(出せない)領域ではないかと思います。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが57年連続で配当を増やしているという話を聞くと、心は揺れるんですけどね。
分不相応な投資は、やめておいたほうが無難です。
投資の教科書
『本気でFIREを目指す人のための資産形成入門』は、教科書的な本である、と先に述べました。
おそらく、投資をしたことがない人が本書を読んでも、投資を始めることはできないでしょう。
なぜなら本書は、「証券会社はネット証券がおすすめである」とし、具体的な証券会社名も出していますが、証券会社に口座を開くやり方は書かれていないからです。
本書はFIREに至る道筋を紹介していますが、細かい部分は参考書が必要になると思います。
参考書的な内容は、ネットを少し調べればすぐに見つかります。
FIREを生きるには、自律していることが必要であり、懇切丁寧に細かいところまで書かれていないのは、そういった意味合いなのかな、と感じました。
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