『きみが元気のない時に見る本』とてつもなくヘタな絵が、なぜか心を癒してくれます
疲れた時はおうどんを食べよう
表紙に唖然としました。
小学生が書いたようなイラストに、字。
作者は「じょじむら」さん。
じょじ・むら、と読むの?
本当に絵が下手など素人が、何か勘違いしてkindle本を出してみたのかと思いましたが、あまりの評価の多さ・高さに気になって、読んでみました。
あの表紙はインパクト狙いで、中の絵はまともなのかと思いきや、中身もこんなものでした。
でも、いい本でした。
主人公は、うつ病を患っている「うつねこ」。
主人公といっても、「うつねこ」しか登場しないんですけどね。
その「うつねこ」が、読者に向かって話しかけます。
元気がないから横になっていた、といううつねこ。
しんどいから、横になったまま話そう、といううつねこ。
うつねこが話しかける読者も、元気がないという設定になっています。
元気がない読者=私に、
「お前も元気ないの? じゃあ、同じだね」
とうつねこは言いますが、すぐに
「でも、違う」
と言います。
つらさは誰にも分からないから、誰かと比べてマシとか、元気がないとか、物差しにするなよ。
誰でも元気がなくなることはあるから、そんな時は現代医療に頼るんだぞ。
と、うつ指南をしてくれます。
食べる元気がないなら、救急車を呼んでもいいんだ。
寝れなくてもできるだけ横になってよう。縦になっているより楽だし。
人からの連絡も、返信する元気がなかったら返信しなくてもいい。
稚拙なタッチのネコが話しかけるので、押し付けるような感じがなく、そっと心に沁み入ります。
最初はあんなにヘタな絵だと思っていたのに、読み進めるうちにうつねこが愛しく見えてくるのが不思議。
元気がなくなって、でも、元気なふりをしなければならないと思い込んでいるときにこの本を読むと、休む勇気が湧いてくるように思えます。
心がちょっと疲れ気味の人にオススメの本です。
続編?の、『きみがさびしい時に見る本』もおすすめです。
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