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『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』は、リノベの皮を被ったビジネス書

リノベやリフォームはもちろん、人生設計の指針にも役に立つ

リノベーションとリフォーム

洗濯機が故障したちきりんさん。ふと、マンションを購入してから20年が経ち、家電や設備がいつ壊れてもおかしくない状態であることに気づき、ずーっとなんとかしたかったマンションのリノベに取り組むことにしました。

リノベ(リノベーション:大規模な改修工事)とリフォームの違いを、私は良くわかっていなかったのですが、ちきりんさんのリノベ途中の写真を見て、理解しました。
大規模な”改修”工事なんてものじゃないですね。
キッチン設備やトイレ、お風呂を取り払い、壁まで取り払ったそれは、コンクリートの箱。
ちきりんさんのリノベは、マンションの躯体に、一居室新築したようなものでした。

リフォームとリノベの違いですが、リノベはリフォームより大掛かりな工事、例えばリフォームでは、お風呂やトイレ、キッチン設備を取り替えるようなものから、壁を造作したり取り壊したりといった、設計が関わってくるようなところまで含まれるようです。
リノベは、換気ダクトや給排水管、ガス管、電気配線といったインフラを新規交換するような、さらに大掛かりな工事のようですね。

私がちきりんさんのリノベ本を読んだ理由

私はここ数年間、自宅を離れて賃貸に住んでいたのですが、この度自宅に戻ることになりました。
やはり狭い賃貸より自宅の方が圧倒的に暮らしやすいのですが、一点だけ、賃貸の方が過ごしやすい部分がありました。
それは、二重窓だったこと。
音が静かなのはもちろん、冷暖房効率が全然違いました。
内窓を開けると、冬は冷気が入り込んできますし、夏は外窓を通して日光の熱が伝わってきます。
窓ひとつ増やしただけで熱の伝わり方が全く違うことを、文字通り皮膚感覚で体験しました。
自宅も賃貸も、築20年前後。
自宅の方が、坪単価の高いハウスメーカーで、当時としては断熱にかなり力を入れていたのですが、二重窓にここまで威力があるとは。

ちきりんさんがリノベをしたこと、二重窓にしたことで非常に満足していることは、ブログで知っていました。
そこで、本ならもっと詳しいことが書いてあるかも、と思って本書を読んでみたのですが、残念ながらそのくだりは、ブログの方が詳しかったです。

ですが、ちきりんさんが業者を選ぶ際に何を重要視したか、どのように要望を伝えたか、何に困ったか、料金体系はどうなっているのかなど、リノベ・リフォームをするにあたって気をつけるべきところはもちろん、人生における指針についても、非常にためになりました。

12月31日追記

ちきりんさんが断熱について本書でほとんど触れていない理由が分かりました。
本格的な寒波が到来しましたが、二重窓程度では、寒さは防げません。
ちきりんさんの部屋は、ぐるりと内壁を造作し、断熱材を入れたようですが、それでも一軒家では難しいでしょう。
何しろちきりんさんの部屋は、マンションで、上下左右を部屋に囲まれているので、もともと断熱効果が高いのです。
おまけに、晴れの日の多い東京。

一軒家だったり、マンションでも最上階や角部屋だったり、北国だったり、日当たりが悪かったり、日本海側で日射量が少なかったりすると、断熱だけでは暖かい部屋は無理ですね。
ちきりんさんのブログでも、1年目はあまりエアコンを使わないと書いてありましたが、最近のツイッターを見ると、エアコンを26度設定にしているみたいですし。
それでも、断熱効果が高ければ、エアコンの効きもいいでしょうし、我が家も、居間などいつもいる部屋だけでも断熱を高める工夫をしたいと思います。
それか、逆に玄関とかめちゃくちゃ冷える箇所を対策するか。
どちらのコスパがいいんでしょうね?

人生における基本スタンス

この本で一番参考になったのが、ちきりんさんの人生における基本スタンスを知ることができたこと。
「問題が起こること」を問題視していない。
「問題は必ず起こる」ので、問題が起こった時に「納得のいく方法で、うまく解決できそう」な業者を選んだそうです。
これって、人生においてもそうですよね。
問題が起こらない人生はありません。
問題が起こらないように予防することも大切だけれど、起こってしまったら、その問題がそれ以上大きくならないようにしたり、問題を解決できるようなお金なり、知識なり、人脈なりの資源を持っておき、自分が主体的に問題を解決するのも大切。
ともすれば「問題が起こらない」ことを目指しがちだけれど、人生何が起こるか分からないのだから、レジリエンス力を鍛えておくのも大切だと思いました。

キッチンメーカー一覧!

新築の時は、ハウスメーカーが指定するシステムキッチンから選ぶだけでしたが、ちきりんさんはキッチンメーカーも徹底的に調べたらしく、メーカー一覧を載せてくれています。
デザインの傾向や価格帯もまとまっているので、システムキッチンを交換するときには参考にしたいです。
そういえば、海外に住んでいる親戚が、IKEAのキッチンに取り替えた際、寸法を5cm間違えたかもしれない。。。と、届くまで食事が喉を通らなかった、と言う話を思い出しました。
私は大雑把な人間なので、既製品を入れた方が良さそうです。

お金を払うタイミング

気になるお金を払うタイミングですが、4回に分けて行うことが多いようですね。
それぞれ1/4ずつ払うのかは、不明です。
リノベ会社によっても異なるのでしょうか?
多くの人にとっては、ここでローンを組んだりするのでしょうが、この本ではその言及はなし。
さすがちきりんさん。
「いつもニコニコ現金払い」ですね。

私が家を建てた時は、担当者が言うがままにつなぎ融資とか、住宅ローンに申し込みましたが、インターネットが普及していない時代とはいえ、お金についてもっと調べておくべきだったと、今にして思います。

ちきりんさんが書いていた、もう一つ大切なこと。
お金は、申込金⇒契約金⇒着工金⇒完了金と言う名目で支払いますが、申込金を支払った後でリノベを中止すると申込金は戻ってこないそうですが、当然ですね。
問題は、申込金支払いの後に詳細設計・最終見積書が提示され、その上で契約を締結すること。
とんでもない契約を結ばされないように、申し込み前に工事請負契約のひな形をもらって、内容を確認しておいたそうです。
考えてみれば、ビジネスで一千万以上の契約をする際に、手付金を支払ってから契約書を見るなんて、考えられないことですよね。

ちきりんさんは先日のVoicyで、最近自分がビジネス関係ではなく、身の回りのことについての情報発信をしているのは、現在はビジネスの最前線から引退していることもあるが、家事をビジネス視点で見直すとまだまだ改善できる点が多くあるからだ、と語っておられました。

プライベートの手続きにおいても、ビジネス感覚を持ち込んだ方がいいと言うことですね。

どうでもいい感想

「水切りかご置き場問題」を挙げていましたが、激しく同意です。
20年前、私が住宅を建てた時も、どのハウスメーカーの設計士も、男性だったことに驚きました。
そのため、収納場所が全然なかったり、いかにも使いづらそうなキッチンを勧めてきたりと、イラっとすることが多かったですね。
そういえば、電気屋で「私は洗濯機について詳しいです!」と言う男性の販売員に、実際の使い勝手を聞いたところ、「自分は家で洗濯をしないから分からない」と言う返答で、絶句したことも。
自分で家事をしていない人のアドバイスって、信頼性がありませんよね。
従姉妹の配偶者もハウスメーカーの営業ですが、彼も家事を全くしないんですよね。。。
そんな人が「家事動線にこだわった家」を売っているんだから、もう。。。

あと、「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』が本書のタイトルですが、通常「50のこと」とあれば項目50個ナンバリングすると思うのですが、そういうのは一切ありませんでした。


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