進撃の巨人 第119話「兄と弟」あらすじと未解明の謎・伏線・考察【ネタバレ注意】
3組の兄弟の選択と結果
進撃の巨人連載の終盤感がやばいので、ここからは毎話記事を書きたいと思います。
「第119話 兄と弟」で、物語はぐっと進みました。
この話は30巻の1話目ですが、30巻で終了といかないまでも、31巻か32巻で最終話を迎えそうな展開です。
『鋼の錬金術師』で言えば、アメストリス人全員を「賢者の石」にしてしまったあたり、でしょうか。
進撃の巨人「第119話 兄と弟」あらすじ
ライナーとポルコは、エレンとジークが接触するのを必死で止めようとします。
が、ポルコは度重なる攻撃で、立つことができません。
ライナーの指がガリアードに触れた瞬間、マルセルの記憶がガリアードの脳裏に蘇ります。
ポルコは、兄・マルセルが、自分を守るため、マーレに印象操作を行い、鎧の巨人をライナーに継がせたことを知ります。
一方ジークは意識を取り戻し、叫びの力を発揮しようとします。
コルトは必死にジークにファルコを逃がすよう助命しますが、ジークは”叫び”の力を発動します。
ファルコだけでなく、ピクシス司令にナイル、その他ワインを飲んだ兵士たちが一斉に巨人化します。
ジークは非情にもファルコにライナーを襲うよう命令します。
が、マガト元帥の対巨人砲が再びジークを貫き、獣の巨人は蒸発を始めます。
マガト元帥がエレンに照準を合わせた瞬間、アルミンの雷槍がマガト元帥を襲います。
獣の巨人が蒸発し始めるのを見て、ライナーは務めを果たしたことを知り、うなじの硬質化を解き、ファルコに鎧の巨人を継承化させ、人間に戻そうとします。
が、硬質化を解くのが一瞬遅く、ファルコ巨人は近づいてきたポルコに標的を定めます。
エレンは硬質化でライナーを足止めし、巨人化を解き、ジークの元へ走ります。
ジークは、生きていました。
撃たれる寸前に巨人化を解き、敵の目をくらませていたのです。
エレンがジークの手を取ろうとした瞬間、ガビの対巨人ライフルが火を吹き、エレンの首が飛びました。
進撃の巨人「第119話 兄と弟」感想
もう、凄まじい回でしたね。
この1話だけで、何人が死んだのでしょう?
マーレ側では、ポルコ・ガリアード、コルト、マガト元帥、パラディ島側では、ピクシス司令にナイル、あとはフロック以外のイェーガー派にも多数犠牲者が出ている様子です。
ピークに向かってミカサとアルミンが攻撃を仕掛けているので、ピークの命も風前の灯かもしれません。
巨人になる瞬間、脊髄液を飲んだもの達は体の異変を感じ、自らが巨人化することを悟ったようです。
ピクシス司令が瞑目する様子が、なんとも言えない悲しさを誘います。
そしてコルト。
「大丈夫だファルコ!! 兄ちゃんがずっと付いてるからな!!」と、ファルコを抱きしめます。
この、何の役にも立たないけれども抱きしめるというのは、親が病気で苦しむ子供によくやる行為です。
「代われるものなら代わってやりたい」
その思いで、「お母さんが付いているからね」と言い、親は子供を抱きしめます。
新婚で、まだ子供を授かっていない(と思われる)諌山先生がこうした描写ができるというのは、驚嘆に値します。
さて、病気の子供に対しては、抱きしめることにより精神的に安らぎの効果があるかもしれませんが、もちろん巨人化にはなんの効果もありません。
コルトは巨人化の熱に巻き込まれ、命を落としてしまいます。
コルトの死を目の当たりにしたガビは、対巨人ライフルを手に取り、エレンの頸を打ち抜きます。
この流れは非常に美しい。
まるで計算され尽くした映画のワンシーンを見ているかのようです。
諌山先生は昔からなぜか、動きのないシーンよりも激しく動いているシーンの方が得意な方ですが、このシーンでは、エレンとガビの目が合った一瞬の静止画、それに続く流れがコマ割りといい、構図といい、まさに神がかっています。
解明されていない謎・伏線と考察
1.始祖の巨人の力の発動条件は?
これはすっかり騙されてしまいました。
今までの展開から、エレン(始祖)は人間のままでOK。
一方、王家の血筋の方は、巨人化していないとダメなのだと思っていました。
エレンが始祖の巨人の力を発揮したのは、エレンが人間態で、巨人化したダイナと接触した時でした。
その後、ヒストリアと接触した時は記憶の蓋は開いても、始祖の力は発揮できていません。
ですが、考えみるとヒストリアは巨人か能力を持っていないわけですから、王家の方も巨人か能力を有してさえいれば、人間態であろうと巨人態であろうと関係はないのかもしれませんね。
29巻第115話「支え」で、傷痍軍人病院でエレンに会ったジークが「固い握手でも結びたいところだが、まぁ…今俺達が接触するのはマズいよな…」と言っていたので、ここで気づくべきでした。
2.エレンは死んだの?
これはまぁ…生きているでしょう。
『進撃の巨人』の前半は、「始祖の巨人」を有しているキーマンであるエレンを巡り、物語が動いてきました。
中盤以降は、より大きな世界の中で様々な人が様々な思惑で行動する、群像劇のような物語となります。
終盤になり、ようやくキーマンであり、主人公であるエレン自身が行動を起こし、まさに物語の最終盤の今、主人公が決定的な”何か”をなそうとする瞬間で、死ぬはずがありません。
それに…
例の情熱大陸の「最終コマ(案)」がありますからね。
エレンと思われる男性が、赤ちゃんをだき、「お前は自由だ…」と語りかけるコマです。
男性は後ろ姿で顔は見えないのですが、髪型といい、身体つきといい、口調といい、エレンと考えてまず間違いはないでしょう。
論理的に考えても、このタイミングで主人公が退場するわけはありませんが、最終コマのネタばらしがなければ、もう少し安否が心配になっていたと思います。
やはりネタバレはするものではありませんね。
とは言え、エレンがどうやって復活するのかは、皆目見当がつかないのですが。
案としては、
1.脳転移を使い、復活する。
2.ユミルが、土をこねて体を作る。
の2つがありますが、1の場合は体から再生するのか、頭から再生するのかという心配がありますし、何よりこんな二番煎じの復活劇では、白けてしまいます。
(首が胴体から離れた状態での復活は、同じ月刊マガジンの『100万人の命の上に俺は立っている」で行われていますが、ホント、どうやって復活したんでしょうね?)
第119話「兄と弟」は30巻に収録されています。
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